禅ゲシュタルトは、坐禅の経験や、ゲシュタルトアプローチの知識がない方でも参加できます。
上手に坐ること、深い体験をすること、うまく自分を説明することは求められません。
その日の身体、その日の呼吸、その場で気づいていることから始めます。
日常のなかで起きていること
相手の言葉に反射的に言い返す。言いたいことを飲み込む。考えれば考えるほど、何を感じているのかわからなくなる。
そのとき、身体では何が起きているのでしょう。自分と相手との「あいだ」では、何が起きているのでしょう。
禅ゲシュタルトは、こうした普段は通り過ぎてしまう小さな動きに目を向けます。
二つの実践の共鳴
禅ゲシュタルトは、禅の実践とゲシュタルトアプローチを組み合わせています。
禅では、坐禅を中心に身体と呼吸へ戻ります。ゲシュタルトアプローチでは、身体、感情、思考、そして人との関係に、いま何が起きているかを確かめていきます。
一人で静かに坐ることと、他者との関係のなかに入ること。その二つを行き来するのが、禅ゲシュタルトの実践です。
ワークショップの基本的な流れ
ワークショップでは、坐る、体感する、対話する、小さく試す、ふりかえるという実践を、その場で起きていることに応じて行き来します。
坐る
椅子または床に坐り、姿勢を整えます。
呼吸の出入りや身体の感覚に注意を向け、考えが浮かんだら、そのことに気づいて再び身体と呼吸へ戻ります。
体感する
呼吸、肩や喉の緊張、胸や腹の感覚など、いま身体に何が起きているかを確かめます。
「よく分からない」という状態も、そのまま現在の体験として観ていきます。
対話する
プロセスグループでは、いまこの場で、自分と他者とのあいだに起きていることに目を向けます。
誰かの言葉を聞いたときに何を感じたか。話そうとした瞬間に何が起きたか。そうした小さな変化を手がかりに、自分が人とどのように関わっているのかを観ていきます。
小さく試す
必要に応じて、姿勢を変える、相手との距離を変える、言いかけた言葉を声にしてみるなど、小さな実験を行います。
正解を探すのではなく、実際に試したときに何が起きるかを確かめます。
ふりかえる
何に気づいたか。身体に何が残っているか。まだ分からないことは何か。
大きな結論を出さず、その時点で起きていることを静かに確かめます。
坐禅とプロセスグループを往還する
これらは、一方向に進む手順ではありません。
坐って身体と呼吸に戻り、そこから他者との関係のなかへ入ります。そして、そこで起きたことを携えて、再び坐ります。
一人で坐っているときには見えなかったことが、誰かとの関係のなかで現れることがあります。
反対に、対話のなかでは気づかなかったことが、再び静かに坐ることで見えてくることもあります。
坐禅からプロセスグループへ。プロセスグループから、再び坐禅へ。
この往還が、禅ゲシュタルトの実践の特徴です。
安心して参加するために
話したくないことを、無理に話す必要はありません。
感情を強く表出することや、深い自己開示をすることを求める場でもありません。
何を話すか、どこまで参加するかは、自分で選ぶことができます。互いの違いと心理的な境界を大切にしながら進めます。
その日の自分から始める
落ち着いている日もあれば、落ち着かない日もあります。
言葉が出る日もあれば、何も話したくない日もあります。
理想的な状態になってから参加する必要はありません。
その日、その場にいる自分から始めます。